Skip to main content

クラスター弾禁止条約の批准国が発効必要数に到達

今年8月1日には拘束力のある国際条約に

(ワシントンDC)-2月16日に、ブルキナファソとモルドバがクラスター爆弾禁止条約を批准。これにより、批准をした国が30カ国に達し、拘束力のある国際条約として発効するのに必要とされた国数に達した。これを受けて、2010年8月1日、クラスター爆弾禁止条約が発効することになった。

「クラスター弾に関する条約」(Convention on Cluster Munitions)は、2008年12月に署名のために開放された。その後、国際法として発効するのに必要な30国の批准に達するまでかかった時間は、わずか15カ月だった。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ武器局の局長で、世界的なNGO連帯であるクラスター兵器連合(Cluster Munition Coalition)の共同議長でもあるスティーブ・グースは、「このように、節目の数に達するまでの期間がごく短かかったのは、この恐ろしい兵器が再び使用されるべきではないと、各国政府が強く願っていることを示している」と述べた。「しかし、更なる民間人の生命や手足を無意味に失わないためには、すべての署名国(現在104国)が条約を批准する必要があり、同時に、これまで署名さえしていない国々が本条約に参加することが必要だ。」

2008年に締結された「クラスター弾に関する条約」は、クラスター爆弾の使用、製造、移譲を全面的に禁じている。また、不発弾の除去と貯蔵弾の廃棄に関して厳しい期限を設け、被害者の支援も義務付けている。

本日、ブルキナファソとモルドバが国連本部に文書を提出、それぞれ29番目と30番目の批准国となったため、条約発効日が規定日(6カ月後の初日)である8月1日に決定した。

「クラスター弾に関する条約」を批准した30カ国は以下のとおり。同条約の制定を実現させた「オスロ・プロセス」と呼ばれる外交イニシアティブの主要メンバーであるノルウェー、オーストリア、ローマ法王庁、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド。それから、クラスター爆弾が実際に使用されたアルバニア、クロアチア、ラオス、シエラ・レオネ、ザンビアの各国。クラスター爆弾所有国であるベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、日本、モルドバ、モンテネグロ、スロベニア、そして初の貯蔵弾完全廃棄国となったスペイン。その他の批准国は、ブルキナファソ、ブルンジ、ルクセンブルク、マケドニア、マラウイ、マルタ、ニカラグア、ニジェール、サン・マリノ、ウルグアイである。

「この新たな国際条約の成立を踏まえ、米国、ロシア、イスラエルなどのクラスター爆弾使用国は、『軍事的必要説』(疑問も多い)に固執する姿勢を再検討することが、極めて重要である。クラスター爆弾が非人道的な悲劇を生むことは、すでに周知の事実なのだから」と前出のグースは述べた。「これまで世界の半数以上の国々が、クラスター爆弾の不使用に同意している。つまりは、クラスター爆弾は、今後、一切使用が許されない兵器の仲間入りをしたのだ。」

ほとんどの北大西洋条約機構加盟国と、米国と親密な関係にある国を含む104の国々が、これまでに条約に署名している。ブッシュ政権は、1997年の対人地雷禁止条約をモデルとした、クラスター爆弾禁止条約の制定や交渉に参加しないことを決めた。オバマ政権は、同条約に対する見解を未だ明らかにしていないが、オバマ大統領が米国軍が所有する極めて少量の貯蔵弾を除いた、すべてのクラスター弾輸出を禁止する法律に、昨年3月11日署名している。

クラスター爆弾は、使用されると、広範囲にわたり無差別に子爆弾が飛散する。また、不発弾が長期間にわたって民間人に危険を及ぼす。クラスター爆弾は、こうした理由で禁止された。クラスター爆弾は、大砲やロケット砲からの発射、もしくは爆撃機からの投下が可能。通常は空中で爆発して、数十発、時には数百発の子爆弾をフットボール場大の面積にまき散らす。散らばった子爆弾は、着弾時には爆発しないことも多く、不発弾が事実上の地雷となって地上に残る。

皆様のあたたかなご支援で、世界各地の人権を守る活動を続けることができます。

人気の記事