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日本:ミャンマーのクーデターを受けて行動を

対象限定型経済制裁と国際的な武器禁輸措置の支持、ODAのレビューを

Japanese Foreign Minister Toshimitsu Motegi (left), Prime Minister Yoshihide Suga (center), and Finance Minister Taro Aso (right) attend a Cabinet meeting in Tokyo on February 24, 2021. © 2021 Kyodo via AP Images

(東京) ― 日本政府は、クーデターを起こしたミャンマー国軍に対して、民主主義的に選ばれた政府の復活や人権の尊重を実施するよう圧力をかけるべきだと、ヒューマンライツ・ナウ、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、日本国際ボランティアセンター、ジャスティス・フォー・ミャンマー、そして市民社会スペースNGOアクションネットワークが本日述べた。

5つの団体は、2021年2月25日付の茂木敏充外務大臣宛の共同書簡で、日本政府が関係諸国と連携した上、ミャンマー国軍や軍系企業などに対する対象限定型経済制裁や国際的な武器禁輸措置の実施、そして政府開発援助(ODA)の大綱にある人権に関する文言を根拠に人道的支援以外のODAのレビューを日本政府に求めた。

「日本政府はミャンマーの大きな支援国であり影響力があるため、ミャンマーにおける人権の尊重の促進に関して行動を取る責任がある」とヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局プログラムオフィサーの笠井哲平は述べた。「早急に公的な支援をレビューして、ミャンマー国軍にとって利益となる支援を停止すべきだ。」

また、団体らは共同書簡で、日本政府は関係諸国と連携の上、軍系企業ミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)とミャンマー・エコノミック・コーポレーション(MEC)に対象限定型経済制裁を課すよう要求した。同時に、日本政府はミャンマー国軍と直接的あるいは間接的に関係がある日本の民間企業が、責任ある形で軍との関係を断てるよう支援すべきだと述べた。

「ミャンマー国軍は、ビジネスの営業利益を使って自らの愚行を財政的に成り立たせていることが次から次へと証明されている」とジャスティス・フォー・ミャンマーのスポークスパーソンのヤダナル・マウンは述べた。「日本政府そして日本の民間企業らは人権の尊重という責任を全うするために、国軍との関係を断つべきだ。」

日本は数十年前からミャンマーにとって大きな支援国だ。2017年時点で、日本は合計1兆円を超える有償資金協力、3000億円を超える無償資金協力、880億円を超える技術協力を行ってきた。2017年時点でOECDの開発協力局の加盟国や機関の中で第1位の支援規模。また、2016年11月にアウンサンスーチー氏が来日した際に日本は官民合わせて5年間で8000億円の経済支援を行うことを発表した。

団体らは「日本の民間セクターもミャンマーへの投資を拡大しており、人権デュー・ディリジェンスの実施を含めて『国連ビジネスと人権に関する指導原則』が提示するガイドラインが十分に尊重されていない」と述べた。

「日本政府は、今まで軍とビジネスをすることによって生じるリスクを十分検討せずに、日本の企業らにミャンマーへの投資を促してきたことが裏目に出たことを自覚すべきだ」とヒューマンライツ・ナウ事務局次長の佐藤暁子は述べた。「今後、日本政府は日本の民間企業などに対して、2020年10月に発表した国別行動計画にしたがって、国連のビジネスと人権に関する指導原則や人権デューディリジェンスの実施などを浸透させるべきだ。」

また、団体らは、日本政府開発援助の開発協力大綱にある「開発途上国の民主化の定着,法の支配及び基本的人権の尊重を促進する観点から,当該国における民主化,法の支配及び基本的人権の保障をめぐる状況に十分注意を払う」という文言を根拠に、対ミャンマーODAの案件などをレビューするよう求めた。必要な人道的支援は維持あるいは増加するべきであると同時に、開発支援はミャンマー政府を通して実施されるのではなく、可能な限り市民社会団体などを通じて提供されるべきだとした。

「日本政府は、ミャンマー国軍に身柄拘束された人々の解放や、クーデターに抗議する人々の安全確保も含め、ミャンマーに民主的政治体制への復帰を促す、実効性ある対応をすべきだ」と市民社会スペースNGOアクションネットワークのコーディネーターの加藤良太が述べた。

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