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人権ウォッチ:正念場を迎えた北朝鮮問題

「掟その一。強制収容所では、自分が囚われの身となっている理由を聞くべからず…。自分の罪を尋ねた人の多くは公開処刑されてしまいました。」

昨日、参加者でごったがえす国連イベントでキム・ヘスクさんの話に聞き入りました。北朝鮮でも特に悪名高き強制収容所の1つで囚人として暮らした日々、その恐ろしい経験に心を動かされない人はいないでしょう。彼女は30年近くもの歳月を恐怖に囲まれながら生きたのです。逮捕されたのは13歳のとき。その理由を知ったのは、釈放されたあとのことでした。会ったこともなかった祖父がその昔脱北して、韓国に亡命したことの罪を連座制で問われたのです。

キムさんの体験談は、北朝鮮に関する国連調査委員会(COI)設置のきっかけとなった何百もの証言の1つ。同調査委は「北朝鮮とその政府機関および関係者によって、組織的かつ広範に重大な人権違反がこれまで犯され、また犯され続けている」と結論づけました。オーストラリア政府、ボツワナ政府、パナマ政府が共同主催した昨日の国連イベントは、北朝鮮で現在進行中の極度の苦しみの性質と規模を加盟国政府に改めてはっきり示した形。政治犯などの被拘禁者は、その数8万〜12万人。こうした人権侵害に対し、国際社会が一丸となって対峙することが求められています。

日本と欧州連合(EU)が国連総会に向けて起草した決議案は、北朝鮮における人道に対する罪の容疑について提起。「数十年にわたり国家の最高レベルで策定された政策にそって」行われたと指摘しています。決議案は更なる行動を国連安全保障理事会に要請。具体的には国際刑事裁判所(ICC)への北朝鮮の事態の付託、重大犯罪者たちに対する制裁措置の発動などが含まれます。

北朝鮮調査委が今年2月に報告書を発表して以来、北朝鮮は守りの姿勢に入っています。先月には独自の人権報告書を発表し、信じがたいほど片端から人権侵害を否定しました。近時には国連加盟国に向け対抗決議案を配布。対話をめぐる自らの取組みを賞賛し、国際機関に協力を求めるもので、国連人権高等弁務官事務所(わずか数カ月前に北朝鮮指導部が脅迫したと報道されている)もその対象に含まれています。

これまで10年も国連による人権保護の求めに抵抗し、関与を拒絶し続けてきたにも拘わらず、今になって北朝鮮は新しい「関与姿勢」を見せています。が、北朝鮮政府の国連での戦略が変わったからといって、北朝鮮政府自体は変わっていないということを肝に銘じるべきです。北朝鮮は調査委との関わりを拒否し、国連北朝鮮人権状況特別報告者のマルズキ・ダルスマン氏に対する無条件のアクセスも未だ認めていないのです。昨日のイベントでも北朝鮮流「対話」が余すところなく披露されました。それは、調査委による結果報告の拒絶と、自分たちの流儀でしか世界に関与しないという姿勢…。

国連加盟国は、日本と欧州が主導する北朝鮮決議案が投票にかけられるときには、キムさんのような被害者たちの証言を思い出すべきです。決議案に対する圧倒的な支持が必要です。世界は北朝鮮の被害者たちとともにあることを示すために。そして、北朝鮮政府はもちろん、傍観を決め込む北朝鮮の友好国を孤立させるためにも。

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