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キラーロボット:禁止の気運高まる

懸念が共有され、人間の制御を求める動きが規制に拍車

All countries have a duty to save humanity by retaining meaningful human control over the use of force and banning fully autonomous weapons.  © 2020 Brian Stauffer for Human Rights Watch

(ジュネーブ) ―完全自律型兵器の脅威から人類を守る義務をますます多くの国々が認めていると、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日発表した報告書で述べた。人間による有意義な制御なしに標的を選択して交戦する兵器システム、いわゆる「キラーロボット」は、容認できないものであり、阻止する必要がある。

今回の報告書「キラーロボットの禁止に向けて:完全自律型兵器の禁止と人間の制御の維持に関するカントリー・ポジション」(全55頁)は、2013年以降、キラーロボットに関する見解を公表している97カ国の政策をレビューしている。大多数の国は、人間による制御と意思決定の介在が、兵器システムが許容され、合法的と見なされる上で根本的なものだと考えている。これらの国々のほとんどは、武力行使において人間の制御を保持するための新条約への希望を表明している。うち30カ国は、完全自律型兵器の禁止を明示的に求めている。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの武器局アドボカシー・ディレクター兼キラーロボット反対キャンペーンのグローバル・コーディネーターを務めるメアリー・ウェアハムは「武力行使から人間の制御を取り除くことは、現在、気候変動と同様に、人類への重大な脅威と広く見なされている」と述べた。「国際禁止条約は、完全自律型兵器が提起する深刻な課題に対処できる唯一の効果的な方法である。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチなどの非政府組織が2013年にキラーロボット反対キャンペーンを開始して以来、自律型致死兵器システム(LAWS)への懸念に対応する必要性が、国際的な課題として着実に高まっている。

政治家、人工知能の専門家、民間企業、国際組織、国内組織、一般の人びとは、完全自律型兵器の禁止要求をますます支持するようになっている。アントニオ・グテーレス国連事務総長は、人間の介入なしに人間を標的にして、攻撃できるような兵器システムの禁止を繰り返し各国に求めており、そうした兵器は「道徳に反しており、政治的にも容認できない」と述べている。

「武力行使において人間の有意義な制御を維持することは、倫理的要請であり、法的必要性があり、かつ道徳的義務であることは明白だ。すべての国には、新たな国際禁止条約の交渉を開始し、緊急の対応を行うことが求められている」と、前出のウェアハムは指摘した。

各国は、2014年から2019年まで8回行われてきた、LAWSに関する特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)締約国会議に参加した。オーストリア、ブラジルチリは、兵器システムの基本機能への人間による有意義な制御の確保に関する、法的拘束力のある文書の交渉を提案している。

しかし、少数の軍事大国(特にロシア米国)が、規制の動きを足踏みさせている。こうした国々は他方で、人工知能の軍事への応用や、陸海空での自律型兵器システムの開発にも多額の投資を行っている。CCWではコンセンサス方式が取られているため、多数派が求める合意は、わずか数カ国、あるいは1カ国の反対があれば成立しない。

新型コロナウイルスのパンデミックにより、8月10日に国連ジュネーブ本部で開催予定だった、キラーロボットに関する2020年の第1回CCW会合は延期を余儀なくされた。

キラーロボットの禁止を求めているのは次の30カ国である。アルジェリア、アルゼンチン、オーストリア、ボリビア、ブラジル、チリ、中国(使用のみ)、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ジブチ、エクアドル、エルサルバドル、エジプト、ガーナ、グアテマラ、バチカン市国、イラク、ヨルダン、メキシコ、モロッコ、ナミビア、ニカラグア、パキスタン、パナマ、ペルー、パレスチナ、ウガンダ、ベネズエラ、ジンバブエ。

キラーロボット反対キャンペーンは、65カ国160以上の非政府組織による連合体で、完全自律型兵器を先制的に禁止し、武力行使における人間による有意義な制御を維持するために活動している。

「多くの政府は、機械が戦場で人間を殺害することへの深刻な懸念を共有しており、人間による制御を維持しようという強い思いが、集団的な取り組みの強固な基盤となっている」と、前出のウェアハムは述べた。「今回のパンデミックで外交は滞っているが、このことはかえって、キラーロボットのような人類の存在への脅威に備え、緊急に対応することの重要性を示している。」

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